水球の歴史
今回は、水球がどのように始まったのかなどをご紹介します🏊⚽
1860年代頃に、イギリスのパブリックプールなどで、水泳クラブが開催した水上イベントの中に、木製の樽(たる)にまたがってレースをしたり、水中でのフットボールのような遊びが生まれました。そして、1870年にはロンドンのメトロポリタン水泳協会が「Football in the water」として最初のルールを制定しました。これが水球の正式な始まりと言われています。初期の頃はとても激しい競技で、そこからルールが改正され、1888年にはアマチュア水泳連盟が統一ルールを策定し、スポーツ競技として確立されました。競技は、徐々にヨーロッパ各国やアメリカなどに伝わり、1900年の近代オリンピックである第2回パリオリンピックの正式種目に採用されました。第1回のアテネオリンピックの8種目43競技に比べ、第2回では19種目95競技にも増えました(最新の第33回パリオリンピックでは32種目329競技)。また、この頃にはバレーボールやバスケットボールはなく、水球は初期の頃からオリンピックに登場した団体競技ということになります。
さて、日本の水球チームでも「〇〇ウォーターポロクラブ」という名称のチームがあるように、水球は英語名では「ウォーターポロ」と呼ばれています。この由来は、諸説ありますが、前述したとおり初期の競技で水上に浮かべた樽にまたがって、馬術競技の「ポロ」のようにスティックでボールを打つゲームが原型とされたり、また、当時の競技で使用されていたインド製のボールがヒンズー語の「プル」が変化して「ポロ」となったという説があります。
日本での最も古い水球の試合記録は、1907年に千葉県館山で第2回関東連合游泳会において、東京高等師範学校(現・筑波大学)と第一高等学校(現・東京大学)が対戦したとのことです。ヨーロッパを始めとして、海外ではメジャーな種目となっている水球ですが、日本ではまだまだ知名度が高いとは言えません。しかし、実際に競技を観戦すると、とても見ごたえのある競技です。国内でも、新潟県柏崎市のように自治体が「水球のまち推進室」を設置してさまざまな活動をしていたり、「水球の聖地」として毎年「全日本ユース水球競技選手権大会―桃太郎カップ―」を開催している岡山県倉敷市などが水球を盛り上げています。